霊性とは

 私たちは意識しなくとも、無意識のうちに呼吸をし、心臓は脈打つてゐます。意識しやうと、しまいと、「生命」は動いてゐます。私たち一人ひとりに生命があるやうに、この宇宙・地球も生命体として動いてゐます。ところが多くの現代人は自分が意識してゐること、気づいてゐることが全てだと思ひ、自分の意識で捉えきれない世界に対して、目を向けやうとしてゐません。これはあまりにも小さな自我に囚われた姿です。

 霊性の回復は先づ、この目に見えない世界に目を向けることから始まります。ところが目に見えない世界に目を向けてゐる筈の多くの宗教者たちが世界の各地で争ひ、殺戮、テロ事件を起こし、憎しみの感情をむき出しにしているのは、なんといふ矛盾でせうか。

 ですから、霊性の回復は所謂「宗教」によつては起きてゐないのが現状です。宗教者が己を神とし、己の宗教・宗派のみを絶対化してゐる限り、霊性の回復は起きません。だからと言つて、宗教を古くさい過去の遺物のやうに見なすことは間違ひでせう。宗教はその本来の姿に立ち還り、仏典、コーラン(クアラーン)、聖書の原典を身体で読むあり方で真剣に求めれば、これほど確実な霊性回復の道はありません。

 霊性の回復には「己」を捨てること、「生命」に対する深い畏敬の念を持つことが不可欠です。どんなに正しいやうに見えることであっても、それもちっぽけな人間が掴んだ相対的なものに過ぎないことを知らなければなりません。資本主義も共産主義も、リベラリズムも保守主義も、仏教もイスラム教もキリスト教も、どのやうなドグマも人を救ひ得ません。

 私たちが今立ち還るところは「己を捨て、深い霊性のお方」を全身で求めることです。このホームページはそのお手伝いをさせて頂ければとの願ひをもって情報(生命)を発信しております。